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トラブル対応

制作会社と連絡が取れない! WordPressサイトを自分の手に取り戻す7ステップ

2026年10月20日 更新

この記事でわかること

  • サイトの「持ち主」は4つに分かれていて、それぞれ確認先が違うこと
  • ドメインの名義と期限を、WHOISで自分で調べる方法
  • サーバーとWordPress管理画面に、自社の権限で入り直す手順
  • 契約・著作権について、最低限知っておきたい考え方
  • 二度と同じことで困らないための所有権チェックリスト

メールを送っても返事がない。電話もつながらない。そのうちにサイトの表示がおかしくなったり、ドメインの更新案内が届かなくなったりする。中小企業のサイトでは、珍しくない話です。

原因はさまざまです。担当者の退職、制作会社の廃業、単純に手が回っていない、というケースもあります。ただ、理由が何であれ、やることは同じです。「誰が何を持っているか」を確かめて、自社の名義と権限に戻していくことです。

多くの場合、サイトを作り直す必要はありません。順番に進めれば、ほとんどは自社で取り戻せます。

ステップ1:サイトの「持ち主」を4つに分けて書き出す

ひとことで「サイト」と言っても、実際には次の4つで成り立っています。持ち主も確認先も別々です。

対象 何のことか 確認先
ドメイン example.co.jp のような住所 WHOIS、ドメイン管理会社(レジストラ)
サーバー サイトのデータを置いている場所 サーバー会社との契約
WordPress管理者 管理画面に入るアカウント WordPressのユーザー一覧
有料テーマ・プラグイン デザインや機能のライセンス 販売元のアカウント

まず、社内にある資料を集めてください。制作時の契約書・見積書、請求書、制作会社とのメール、そして会社の口座やクレジットカードの明細です。サーバー会社やドメイン会社への支払いが自社から出ていれば、その契約は自社名義である可能性が高くなります。

ステップ2:ドメインの名義と有効期限を確かめる

最初に確認すべきはドメインです。ドメインの期限が切れると、サイトもメールも止まります。さらに、失効したドメインは第三者に取得されることがあります。

WHOISで調べる

ドメインの登録情報は、WHOISという仕組みで誰でも見られます。

  • .jp .co.jp などは、JPRSのWHOIS(whois.jprs.jp)
  • .com .net などは、ICANN Lookup(lookup.icann.org)

見るべき項目は3つです。

  1. 登録者(Registrant):法的な持ち主です。自社名か、制作会社名か。
  2. 有効期限:あと何か月残っているか。
  3. ネームサーバー:たとえば xserver.jp や sakura.ne.jp を含んでいれば、そのサーバー会社を使っているヒントになります。

.com などは登録者が非公開になっていることがよくあります。その場合も、管理しているレジストラ名は表示されるので、問い合わせ先は分かります。

名義が自社だった場合

一番よくあるのが「名義は自社なのに、管理しているアカウントは制作会社のもの」というケースです。登録者本人として、レジストラに「自社アカウントへ移したい」と相談してください。本人確認の書類を求められるのが普通です。

なお .co.jp は、日本で登記している会社が1社1つだけ登録できるドメインです。登録者は原則として御社自身なので、取り戻しやすい部類です。

名義が制作会社だった場合

この場合、法的には制作会社のドメインです。名義の変更には、原則として制作会社の協力が必要です。ステップ6の手順で、書面で依頼してください。期限が近い場合は、レジストラにも事情を伝えて、取れる手段を確認しておきましょう。

ステップ3:サーバーの契約者を確かめる

ネームサーバーや支払い明細から、サーバー会社の見当がついたら、契約者を確認します。

自社名義の契約だった場合

サーバー会社の会員ページにログインできれば、話はかなり簡単です。ログイン情報が分からなくても、契約者本人として問い合わせれば、パスワードの再設定を受け付けてくれるのが普通です。

ログインできたら、この時点で一度バックアップを取ってください。多くのサーバーは管理画面からダウンロードできます。

制作会社名義の契約だった場合

この場合、サーバーの中には自社では入れません。注意したいのは、制作会社が支払いを止めると、ある日突然サイトが消えるという点です。

制作会社に移行への協力を求めつつ、並行して次の準備を進めておくと安心です。

  • 自社名義で新しいサーバーを契約する
  • サイトの文章・写真など、自社で用意した素材を手元に集めておく

データをもらえれば、そのまま引っ越せます。もらえなければ、集めた素材をもとに作り直し、ドメインの向き先を新しいサーバーに切り替えます。

ステップ4:WordPressの管理画面に入り直す

サーバーに入れれば、WordPressにもほぼ確実に入れます。

  1. ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」を試す。 ただし、管理者のメールアドレスが制作会社のものだと、再設定メールは向こうに届きます。
  2. サーバーの管理画面から再設定する。 サーバー会社によっては、WordPressのユーザーやパスワードを管理画面から変更できる機能があります。ない場合も、データベースから再設定する方法があります。操作を誤るとサイトが表示されなくなるので、自信がなければ、ここは専門家に頼んでください。

入れたら、次の順で進めます。

  • 自社のメールアドレスで、新しい管理者アカウントを作る
  • 「設定」→「一般」の管理者メールアドレスを、自社のものに変える
  • 制作会社のアカウントは、すぐに消さずに権限を下げる。消すときは、そのアカウントの投稿を自社アカウントに引き継ぐ

ステップ5:有料テーマ・ページビルダーのライセンスを確かめる

見落とされがちなのがここです。有料テーマや、Elementor Proのような有料プラグインが、制作会社のアカウントで購入・登録されていることがよくあります。

ライセンスが切れても、すぐにサイトが止まるわけではありません。ただし、更新が届かなくなります。更新されないプラグインは、セキュリティ上の弱点になります。

管理画面の「プラグイン」「外観→テーマ」で、有料のものに印をつけてください。それぞれ、自社でライセンスを買い直すか、別のものに置き換えるかを決めます。

ステップ6:契約と法律の整理を、書面で進める

ここは法律相談ではなく、一般的な考え方の整理です。判断に迷ったら、弁護士や商工会議所の相談窓口を使ってください。

連絡の記録を残し、期限を区切る

電話やメールの日時と内容を記録しておきます。それでも返事がなければ、「いつまでに、何を渡してほしいか」を書いた書面を送ります。具体的には、ドメインの名義変更、サーバーのデータ、ログイン情報です。記録を残したい場合は、内容証明郵便が使えます。

会社がまだあるかを確かめる

法務局の登記情報(オンラインの「登記情報提供サービス」でも見られます)で、制作会社が解散・破産していないかを確認できます。破産している場合は、破産管財人が窓口になります。

著作権は「契約に何と書いてあるか」

自社で用意した文章や写真は、御社のものです。一方、制作会社が作ったデザインや独自のプログラムは、契約で譲渡を決めていなければ、制作会社側に著作権が残るのが原則です。契約書の「著作権の帰属」「納品物の権利」の条項を確認してください。

保守契約が続いていれば、解約も書面で

毎月の保守料を払い続けている場合は、契約書の解約条項に沿って、書面で解約を通知します。

ステップ7:取り戻したら、最初にやること

権限が戻ったら、その日のうちに次を済ませます。

  • サーバー・ドメイン・WordPressのパスワードをすべて変更する
  • 心当たりのない管理者ユーザーを確認し、整理する
  • バックアップを取り、サーバーの外(自社のPCやクラウド)にも保存する
  • WordPress本体・プラグイン・PHPのバージョンを確認する

何年も更新されていないサイトは、かなりの確率で古いプラグインを抱えています。IPAの「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査」では、不正アクセスの原因の48.0%が「修正プログラムの未適用などの脆弱性」でした。具体的な対策はWordPressのセキュリティ対策15項目にまとめています。

二度と困らないための「所有権チェックリスト」

次に誰かへ制作や保守を頼むときは、契約前にこの表を埋めてください。今の状態の確認にも使えます。

確認項目 自社であるべき状態
ドメインの登録者 自社名義
ドメイン管理アカウント 自社のメールアドレスで登録
ドメインの有効期限・自動更新 自社が把握し、自動更新オン
サーバーの契約者 自社名義・自社払い
サーバー管理画面のログイン情報 自社が保管
WordPressの管理者アカウント 自社用が最低1つある
WordPressの管理者メールアドレス 自社のアドレス
有料テーマ・プラグインのライセンス 自社アカウントで購入
メール(MX)の設定先 自社が把握している
著作権の帰属 契約書に明記されている
解約時の引き渡し内容 契約書に明記されている
ログイン情報の保管場所 パスワード管理ツールなど、社内で決めた場所

業者に作業用のアカウントを渡すのは問題ありません。大事なのは、持ち主は自社で、業者には「鍵を貸している」状態にしておくことです。こうしておけば、業者を替えるのも、自分で更新するのも自由です。詳しくはホームページの所有権チェックリストで解説します。

困ったときは

wpexperts.jpでは、ドメイン・サーバー・管理画面をすべてお客様の名義に戻したうえで、保守を引き継いでいます。作り直しを前提にはしていません。

  • まずは今のサイトの状態を知りたい方は、無料セキュリティチェックでURLを入力してみてください。バージョンの露出や、よくある設定の不備が分かります。
  • 「名義がどうなっているか分からない」という段階でも構いません。お問い合わせフォームまたはLINEから、状況をお聞かせください。

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